Mt. Brewer(13,570ft.)

Kings Canyon National Park

2006年9月18-19日





1864年7月2日、Whitney測量隊のBrewerとHoffmannは、8時間近くかけて標高13,600ft.ほどの山に初登頂し、目前に広がる山並みを眺め感嘆した:
”Such a landscape! A hundred peaks in sight over thirteen thousand feet-many very sharp-deep canyons, clifs in every direction almost rivaling Yosemite, sharp ridges almost inacccessible to man, on which human foot has never trod-all combined to produce a view the sublimity of which is rarely equaled, one which few are privileged to behold.”この山はMt. Brewerと名づけられた。そしてその数日後KingとCotterはこの山を越えMt. Tyndallの初登頂を果たした。

先週Keasarge Passから見たこのMt. Brewer(写真上:最奥、右から二つ目の三角形の山)はあまりにもインパクトが強かった。 未だ休みがのこっているTは、単独でKings Canyon側から登ることにした。

月曜の朝5時に家を出、10時ごろKings Canyonの奥にあるWilderness Permitオフィスに着く。 持ってきた熊缶はもう許可されてないとレンジャーのKimに言われ、アルミ製のものを借りることになる。時間があったので、無線機、中継器、 Bear Boxの掃除のこと、今年出版された『The Last Season』のこと等色々と話をした。そのうち2人のレンジャーも集まってきて暇そうにしていたので 「チャットするレンジャー」の写真を撮ってあげようといったら、「レイバーデイ後のレンジャーよ」などと冗談が帰ってくる。



11時出発。今日の目標はMt. Brewerの東にあるEast Lake(標高約9500ft.)で、標高差4,500ft.、(道標によると)距離15マイルほどを 進まなければならない。ゆっくりエネルギーをセーブして進む。Bubbs Creekの谷はなんとなくTuolumne渓谷に似ていた。 水量はまだかなりある。



6時間かけてようやくEast Lakeに着いた。湖が見下ろせる高台にキャンプ地を定める。 すでに5時、冷え始まってきた。夕食の後はすぐに寝る(7時)。



5時起床、朝食のあと6時にヘッドライトをつけて出発。最初はOuzel Creek沿いに進み、しばらくして北東稜へ乗る。 1時間ぐらいで朝日が望めた。火事の煙がKings Canyon一帯に沈殿している。



12,000ft.付近からMt. Brewerを見上げる。煙のせいでよく見えない。



頂上まであと40分くらいのところ。ここから見るとルートは岩壁に遮られているように見えてあせったが、 登っていくと左側(南斜面)へ回りこむ突破口がすぐ見つかった。



結局3時間半ほどで到着。頂上には予想していた通り、四角いレジスターボックスがあった。古いものでは1990年代初頭の記録が確認できた。 持ってきた地図を非常用にと残していく。依然火事の煙は濃く、Brewerらが望んだ大展望は得ることが出来なかった(残念)。 これはまた来るしかないなと思い、しばらくして下山開始。



Brewerの北東壁。頂上から一気にキレ落ちている。奥はNorth Guard。



Brewerの南東稜。King、Cotterらはここのどこかを下り、いくつもの峠を越えてTyndallを目指した。



安全地帯で撮影。この頃から煙が風で飛ばされ視界が広がり始まった。



ちょうど6時間後にBase Campに戻り、お茶漬けを食べてエネルギーを再補給。テントを撤収し12時45分には帰途に着く。 写真はEast Lakeの出水口から見たMt. Genevra(南方)。



Junction Meadowの南から見たKeasarge Pass、Mt. Gould(最奥)。暗くなる前に戻ろうと、2度ほど止まっただけでひたすら歩き、6時前に閑散としたTHへ戻った。 Cedar Groveの店でビール、サンドイッチなどを買い、がら空きのキャンプ場で一人で乾杯。次の日の朝6時に出発、11時帰宅。