Panorama Trail・Sentinel Dome
標高 8,122 ft.
Yosemite National Park

2004年11月25日

連休(Thanksgiving)は満月に当たるので、月見ハイクを計画していた。 手軽に行けて人気もなく、景色もいいとなるとSentinel Domeしかない。 4マイルトレイルの上りは少し飽きたので、未だ歩いたことのない Panorama Trailを使ってみることにした。 日の入り直前にドームに着けばいいので、ゆっくり家を出た。 11時にCurry Villageに着き、店でコーヒーとパワーバーを買って昼食とする。 車を奥のTHパーキングに移動させ、11時40分に行動開始。




Mist Trailは濡れるので、JMTを使った。Clark Pointのゲートが 閉じていた(落石の危険ありとのこと)。ちょうどそこにいた2人連れハイカー がVernal Fallへと下っていくのを待って、ゲートを超えて進んだ。 やがて崖沿いの道になるところで、4人のパーテイに追いついた。 そこから先は岩壁を伝って流れ落ちてくる水が凍り、トレイルはつるつるの氷に 覆われていた。「行くかどうか迷っているんだ」とのこと。ではと先に行かせてもらう。 所々、かすかに岩が飛び出していたのでそこを歩いていく。やがて氷なだれの 跡が出てきた。なるほどこれが“落石の危険”だなと納得、壁際を離れ、 岩を積んで作られた手摺に上り、危険地帯をすばやくぬける。 すぐPanorama Trailの分岐がでてきたのでそこでまがる。とても 歩きやすい道だ。進むほどにHalf Domeの形がどんどんを変わっていく。 写真はMt. Hoffmann、Half Dome、そしてClouds Rest。パノラマポイントで撮影したと思われる。


時間もあるのでIllilouette滝の落ち口まで行ってみた。滝自体があまり 大きくなく、それほど感動しななかった。所々にある「危険」の サインには、お世辞にもうまいとはいえない、人が川に転落し流されて いく絵が書いてあり苦笑する。写真は、滝をGlacier Point側のトレイルから 撮ったもの。背景はHalf Dome。トレイルを登っていくと、 テント一式とジーンズが落ちていた。どうしてここにあるのかと しばし悩んでしまった。


Glacier Point直下で撮ったHalf Dome。雲がどんどん厚くなってきた。 Cathedral山群には既に雲が低く垂れ込めている。この頃 Mt. Hoffmannにも雲がわき始める。今日の夕焼けはだめだなと思った。 時間を見ると15時50分。ちょっとゆっくりしすぎたようだ。へたをすると 日の入りに間に合わないかもしてない。ここから真面目に歩きはじめ、4時半 にSentinel Domeの頂上に着いた。先週自分でつけたスノーシューの跡しか ついていない。冬のSentinel Domeは穴場だなと再確認。 (今回はスノーシューは持たずに来た。さすがにドーム近くでは膝下まで 雪にもぐった) 


頂上で20分ほど遊んでいた。El CapitanもHalf Domeも染まりそうもないので、 では引き上げるかと思っていた矢先、突然ドーム全体が赤く染まりはじまる。 厚い雲の底と地平線の間に空いたかすかな隙間から今日最後の陽が射したのだ。 この光はもって数分だ。ワーと叫びカメラを取り出し、ドームの上をどたどたと 走り回り、いいスポットをさがす。


赤い光はすっと消えて、急に暗くなり始める。「いやー良かった」と大感動、 カメラをしまい始めた。ふとHalf Domeを見ると雲の間から月が出ている。 今度はおおっと叫び、またカメラを取り出す。雲はどんどん流れていき、 月は出たり隠れたりを繰りかえす。


結局ドームで50分近く遊んでいた事になる。ヘッドライトを着けてGlacier Point へと下る。雪がちらちらと舞い始めた(一番上の写真)。展望小屋には誰かがいるらしく、 ライトが動いていた。あとは4マイルトレイルをすたこら下る。高度を下げるにつれ 小雨模様となる。雲も垂れ込め、Yosemite Fallsに架かる夜の虹は見えなかった。 4マイルトレイルのTHからは、雨がぱらつく林の中の道をひたすら出発点めざし進む。 無事熊に遭遇せず、8時半ごろ駐車場に到着。 車を走らせ始まると雨もやみ、雲が切れて月が渓谷を照らし始まった。 お決まりのスポットで月光に輝くEl Capitanを撮影して今日のハイキングを締めくくる。 夜12時ちょうどに帰宅。