Mt. Tyndall
14,018ft.
John Muir Wilderness (Inyo National Forest)

2004年9月7-8日

今年最大の目標は去年敗退したMt. Tyndallの登山。この日のためにこれまでの トレーニングハイキングがあったといっても過言ではない(だいぶ大げさ)。 ましてや今年がClarence Kingらによる初登頂(参考:Mountaineerng in the Sierra Nevada、King著) から140年目にあたるとなると、再度の失敗は許されない。幸いにも好天は続いている。 7日の朝6時半Mammoth Lakeの宿を出発、395号を南下、2時間後には思い出深いShepherd Pass THに到着。




Symmes Creek沿いにしばらく行くと、トレイルは谷底を離れ南側にある尾根をめざし登っていく。 必要最小限とはいえやはり荷物は重いので、体力消耗を避けるためゆっくりと歩き、3時間かけて ここに到着。Mt. Williamsonが大きく見える(左)。


尾根を乗り越したあとトレイルはShepherd Creekの北側の斜面に沿って進んでいく。 今日の宿泊地はMahogany Flatを越えた先のAnvil Camp(標高10,000+ft.)。 THから5時間半で到着、4,000ft.の上りであった。 ここの両側に聳える山々はひたすら白く、青空とのコントラストが綺麗だ。 夕飯までの数時間は洗濯やゴロ寝をしてすごす。6時過ぎには既に就寝モードに入っていた。


2日目:3時45分起床。夜は心配したほどには冷え込まなかった。 お茶漬けを食べ4時半出発、ポリエステルのシャツにフリースを着てちょうど良い気温だ。 ヘッドライトを着け、ゆっくりとShepherd Passを目指す。かなり欠けてしまった 下弦の月だが、高所では影ができるほどに明るい。5時半ごろには 東の空が明るくなり始めた。6時15分、Pass(ぴったり12,000ft.)に着く。 目前に初めてTyndall(写真)が姿を現す。ルートは右下から左上へと延びる恐竜の 背中のような尾根の右側。その高度差2,000ft.


簡単なクラス2のゴロ岩登りが続く。高度が高いので、ちょっと大またで石を乗り越えると すぐ息が上がる。北西斜面なのでなかなか陽が当たらず、フリースは未だ脱げない。 左はJunction Peak、右はMt. Keith。


尾根はやがて西から来る尾根と合流する。そのすぐ先はジャンダルムが聳えており、 進めなくなる。右側のガリーを100メートルほど下って(注)からトラバース、陽の良く当たる 南西斜面に出る。あとは頂上めざし最後の登りがあるだけだ。 少し行き過ぎてしまい、頂上の南側に出てしまう。Aが左端近くに小さく写っている。 東側はばっさりとキレ落ちている。
「注:ガイドブックにはガリーの下りが大変とも、またそんなに下るなどとは書いていなかった。 思わずここで敗退かとネガティブになってしまった。」


9時15分頂上着。さすが一流のピーク、レジスターボックスがあった。8月には15組ほどが登ったようだ。


山の南西側(Kaweah Peaks Ridge)を望む。どれがどの山だかさっぱりわからない。 Kern Canyonだけはよくわかる。Whitneyは写真の左外側に ある。Mt. Williamsonは東に大きく聳えている(逆光で写真の出来が良くなかったため、 この方面のパノラマ写真は割愛させていただきます)。


帰り道、ジャンダルム(右)横のガリーを登り返すところ。一部クラス3の動きが必要で、ザレた岩もいやらしい。 下り途中で登ってきた登山者に出会う。片言の日本語を話すベイエリア出身のRichard氏。 しばらく山の話をした。彼はShepherd Passをベースにして、周辺の山登りと釣りをする予定とのこと。 2,000フィートも続くゴロ石の下りは底の柔らかい軽登山靴ではかなりつらかった。


Shepherd Pass(奥)からの下り。巨石で谷は埋まっている。ここまでくるとかなり暑くなってきた。 1時15分天場に戻る。Aは燃料切れの兆候を示し始めた。ので、すぐに余った乾燥米でお茶漬けを作り エネルギー充填。テント撤収の後横になり一休みし、3時過ぎ下山開始。高度順化のせいもあり空気は濃く 3時間半でTHに戻ってこれた。夜9時にはMammothの宿へ到着、ビールで登頂成功の乾杯をする。