Vogelsang Peak / Parsons Peak
標高 11,493ft. / 12,147ft.
Yosemite National Park

2003年10月11日

今週末は満月にぶつかるので、夜間行動にはなかなか都合がいい。 一ヶ月後にハイシエラはもう寒すぎて、ハイキングどころではないだろう。 ということで、今年最後の長時間デイハイクをする事にした。 まずは朝早く家を出てPorcupine Flatのキャンプ場にテントを設営、宿泊場所を確保する。 次に車をTuolumene Meadowsに移動させ、そこからVogelsang Peakをめざす。 更にクロスカントリールートでParsons Peakにむかい、北東側のIreland Lakeに下る。 最後はEvelyn Lake経由で来た道を戻るというものだ。総距離24マイルくらいなので、12時間後(10時ごろ) にはトレイルヘッドに戻れるはずである。あとはPorcupine Flatに泊まり、翌朝早く帰ってくる、という予定である。

Porcupine Flatのキャンプ場は既に殆どがふさがっていた。 幸運にも入り口直ぐそばのサイトが開いていたが、ここはよく冷え込んでおり、 テント設営のうちに指先がかじかんでしまった。テントだけを残し直ぐ出発。 9時20分、Tuolumne MeadowsのDog Lakeトレイルヘッドを出発。 VogelsangへはRafferty Creek沿いのトレイルを登って行く。初めて通る谷である。 木はあまり密でなく、オープンで歩きやすい。2時間も行くとFletcher Peak(左)と Vogelsang Peak(右)が 正面に見え出してきた。

VogelsangのHSCも当の昔に店じまいしており、人の気配が全くなかった。 写真はVogelsang Peak。頂上(中央)へはその左側のガリーを詰めていき、 スカイラインに出たら稜線を右に向かって登る。 足跡があちこちに残っていた(Class2の簡単な登り)。

頂上(13:15着)には既に7人ほどがいて、わいわいがやがやしていた。 みんなベイエリア在住で、HSC近くでキャンプをしているとのこと。 この山、周りに比べて標高でこそ劣るが、景色はなかなかのものであった。 写真はTioga Pass方面からMt. Florenceへのパノラマ。 左手前はFletcher Peak。その奥はおなじみDana。Fletcherから右へ続くなだらかな稜線がこれから 向かうところ。中央右寄り最奥に雪のついたMt. Lyellが小さく見えている。そのすぐ右はMt. Maclure。

Vogelsang Peakを下り、Vogelsang Passに向かう。そこから稜線めがけて上り、 あとはParsons Peakへトラバースを続ける。頂上(15:43着)にはケルンがあった。 真下に見えるのがIreland Lake。右斜め上はLyell Canyonの下部。 ConnessやDanaがよく見える。

Parsons Peakからはガレ場を下り、Ireland Lakeの南東側をまいて北側に出る。そのあたりは草原地帯 になっている(下ってきたところはちょうど日陰になっている)。17:15着

草原を横断していくと、やがてトレイルにぶつかる。 そのままLyell Canyonに行かず、西に向かいEvelyn Lake方面を目指す。 途中のコルでParsons Peak(右)を振り返る。 左の夕日に染まる山はAmelia Earhart Peak。 時間はすでに6時過ぎ。高度は10,500ft.くらいのところ。 吐く息も白く、かなり冷えてきた。

Evelyn Lakeに着いたとき(18:40)には既に日が落ちて、 当たりは真っ暗になってしまった。 そのままVogelsang HSCに戻るのは遠回りなので、 そこから北西にクロスカントリーでRafferty Creekに下ることにした。 空に黒く浮かび上がるRafferty Peakを目標に進んでいくと、 すんなりと目標地点へ出られた。8時過ぎには月が尾根から出てきた。 後は月明かりによる自分の影と一緒に谷を下る。 午後9時半、真っ白に輝く駐車場に着いたのであった。
Porcupine Flatには10時過ぎに着く。 夜遅くまでひそひそ話をする隣人や、誰かの鼾、車の通る音など 極めて落ち着かない夜だった。 翌朝は仕返しだと言わんばかりに、4時半に起き出しテントを撤収し、 家へ戻った。