Tuolumne渓谷



Yosemite National Park
2003年9月3日-9月4日

レイバーデイを過ぎた後のYosemiteは観光客の減少と共に平日のバスの運行もなくなり(?)、 Tuolumne渓谷の片道デイハイク(White Wolf からTuolumne Medows 30+マイル) はできそうもない。 それならとTは先週の夏合宿で強化した脚を生かし、While Wolfから始まりTuolumne渓谷をGlen Aulinに 抜けて(25マイル)そこで一泊、翌日May Lakeを通りMt. Hoffmannのすぐ北東側の峠を越えてYosemite Creek側 に抜け出発点のWhite Wolfに戻る(20マイル)、というループトレッキングをすることにした。 まずは2日に家を出て夕方にWhite Wolfのキャンプ場に到着、そこでベースキャンプを張ることにする。 そして3日の朝3時過ぎ、ヘッドライトの灯りを頼りにトレイルヘッドを出発したのであった。

最初の3時間弱は樹林帯の中のトレイルということもあって、 ヘッドライトのみが頼りだった。道はあまり使われていないようで、 何度か道を失う。西の空は雷光で時々光っていた。天気予報も見ないで やってきたため、ひょっとして今日は天気が悪いのかも、とこの時点では あまり深刻に考えずにいた。 渓谷へ向けて下る途中、真っ赤な朝焼けを見る。写真はHetch Hetchy湖。


7時過ぎにようやく谷底(Pate Valley)に降り立つ。ここは熊がめっぽう多いらしい。 陰鬱なところで、足早に通り過ぎる。やがてPiute Creekとの出会い付近で橋が出てきたので、 川を北岸に渡る。このあたりから谷には舐滝やエメラルドグリーンの滝つぼが現れてくる。 道はひたすら水面近くを通っている。そしてこの頃からやけに羽虫のようなものが 顔の周りにまとわりつき始める。刺すというわけではないのだが、うかつにしていると 眼、鼻、口に入り込んでくる。羽虫対策にサングラスをしてバンダナの覆面をするという 強盗のような格好で歩き続けた。


10時半、Muir Gorgeに着く(写真中央)。ここで道はその北側(左側)の山を巻いていく。 今日最初の大きな上りだ。途中でトレイルメインテナンスをする作業者10名に出会い、言葉を交わした。 彼らは手作業で大きな石を転がし、組み重ね、道を手入れしている。 ハイカーとして、まさに頭が下がる思いであった。

高巻きの後はまた谷底に降りていき、ひたすら大岩壁に囲まれた 道を進んでいく(午後1時)。パノラマ撮影の大好きなTではあるが、不可能なほど岩壁は 巨大で高い。

3時頃ようやく渓谷歩きのクライマックスに入った。ここからはWaterwheels(写真)、Le Conte、Calforniaという 3つの滝が現れる。しかし今までもっていた天気もついに崩れ、雷雨に見舞われた。ちょうどよく 岩穴を見つけたので土砂降りの間、30分ほどここで雨宿りをする。秋の渇水期である為、水量はあまりない。 6月に来れば(勿論上流から)すごい滝の姿が見えるかもしれない。

いつまでたっても雨は上がりそうにないので、意を決して歩き始める。これはCalifornia Fallsをその 最上部から見下ろしたところ。これは舐滝が多段階に接続されたように構成されている。

California Fallsを過ぎると突然平らなGlen Aulinのメドウに入る。 雨のせいでトレイルはいたるところ深い水溜りが出来ている。写真は メドウの東側よりWildcat Point(左)を振り返ったところ。天気の良い朝には岩が輝いて 綺麗だろう、と思うと残念だ。

午後6時過ぎやっとGlen AulinのHigh Sierraキャンプ場につく。 今回のテントは一人用の超軽量の物を持ってきた(しかし シングルウォールであるため、朝には湿度と吐く息で内側が水滴でべしょべしょになってしまった)。 そのうち小雨もやみ、青空も所々見えはじめ、少しは滅入った気分を柔らげてくれる。 7時には無理して持ってきた重い衛星電話で現在位置の報告を家にした。 次の日は4時起床5時半出発で、May Lake方面を目指す。

Glen Aulin、May Lake間はHigh Sierraループの道ということもあり、きわめて よく整備されている。9時半にはMay Lakeの北岸に着いた。 ここからはいよいよ7月に逢ったJohn Muirレプリカ氏の 言った通り、クロスカントリーでHoffmannの峠を目指す。最初はやや急だが、Class1の快適な 登りが続く。振り返ってTuolumne Meadows方面を見ると、先週登った山々がよく見える。 まだ朝だというのに雲が多いのが気になる。

峠でHoffmannをバックに得意のセルフタイマーで写真を撮る。この間、10メートルほど離れた岩の上で、 マーモットがじっとTのやっていることを岩の上で見ていた。なんとなく恥ずかしい気分になったのであった。

クリークを下ってきてTen Lakesトレイルに合流した地点。いよいよあと6マイルほど残すだけだ。 どうやら天気ももちそうである。


夕方5時にはWhite Wolfに戻ってきた。予定ではテントで一泊して次の日の朝 ゆっくりドライブをして帰るはずであったが、なんと、テントは昨日の雷雨で床下浸水が あった模様で、グランドシートと床の間に大量の泥が入り込んでいた。 興ざめしたTは即座にテントをたたみ(丸め)、すたこらベイエリアまで帰ったのであった。